コイキングのアメを400個貯めたい。。。
ポケモンGOにすっかりはまってしまいました。
事務所にいながら2つのポケストップが利用できるので、スマホがバイブするたびに、仕事を中断しています。(笑)
さて、今回はメディアで何かと話題の「ポケモンGO」です。
なぜこんなにも「ポケモンGO」はヒットしたのでしょうか?
マーケティング目線で分析していきたいと思います。
それではいってみましょう。
目次
ポケモンGOとは?
「ポケモンGO」はポケモンを求めて色々な場所に足を運び、ポケモンを捕まえて集めて、育てたり、バトルしたりする、スマホのGPSを利用した位置情報ゲームです。
アメリカでは7月6日の配信開始から記録的な大ヒットとなっていて、6日の配信開始以後、AppleのApp Storeランキングで1位を独走中。
アメリカの市場調査会社Sensor Towerによると、公開からわずか19日で全世界7,500万ダウンロードを突破。
これは米国史上最速記録。
「ポケモンGO」のみの1日課金額が全世界中のスマホアプリ売上合計額を超え、Appleの今後1,2年の「ポケモンGO」のアプリ内課金による予想収益30億ドル(約3200億円)。
日本では7月22日に配信開始され、さっそく社会現象になっていますね。
<主な社会現象一覧>
・ポケモンを求めて昼夜問わず大集合
画像引用元:朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/photo/AS20160725004855.html
・歩きスマホ禁止令発動
画像引用元:産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160722-00000547-san-soci
臨時終業
引用:株式会社バーグハンバーグバーグ
https://twitter.com/BHB_official/status/756309285009694720/photo/1
これは、ポケットどころかビッグモンスター級の大ヒットですね。
今のところ今年の流行語大賞の筆頭ではないでしょうか。
ポケモンGOはどうやって生まれた?
「ポケモンGO」は株式会社ポケモン、任天堂、米ナイアンティック社が共同で開発し生まれました。
ちなみにナイアンティック社は米Googleから独立した会社で、ナイアンティック社のCEOであるジョン・ハンケはGoogle マップの生みの親でもあります。
画像引用元:産経新聞
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/sankei-wst1607220073.html
ポケモンGOの特徴である位置情報システムはナイアンティック社の陣取りゲーム「イングレス(Ingress)」をベースに使用しています。
ポケモンGOの5つのマーケティング戦略
「ポケモンGO」が成功した背景にはいくつかのマーケティング戦略が存在します。
この戦略について紐解いていきたいと思います。
1.コラボの力
上で紹介したイングレス。実はイングレスの開発にGoogleとナイアンティックがかけた年月は6年以上と言われています。
その間の投資額は相当なものだったと推測できますね。
ナイアンティック日本代表の村井さんは昨年末のインタビューで、昨年10月に開始したアプリ内課金について以下のように言っています。
「これから課金でどんどんお金を稼いでいきたいわけではありません。
イングレスは(サーバやネットワークの維持や投資などで)ものすごくコストのかかるサービスです。
イングレスを継続して提供しようとしても、続ければ続けるほど赤字だと、事業として健康的だとは言えません。
イングレスを健全に、そして永久的に提供できるような仕掛けを、我々は考え続けなければいけません。」
引用元:Ingressの影の主役が表舞台に–村井社長のナイアンティック日本法人戦略
http://japan.cnet.com/sp/ingress/35074611/2/
イングレスは賞をもらったりしていましたが、維持・投資するためのランニングコストを賄うほどの売上を思うようにあげられていなかったことがインタビュー内容からわかりますね。
そこでナイアンティック社は全世界的に人気のあったポケモンと任天堂とコラボしました。
コラボすることは様々なメリットがあります。
今回のケースで具体的なメリットは4つあります。
1.コストシェア
企業同士で資金を提供することで維持・投資するためのコストを減らすことができたり、PR(広告宣伝費等)のためのコストをシェアすることができる。
費用面の問題で単独ではできなかったことも可能になる
2.新規客の獲得
自社と接触のなき顧客でも、コラボしている相手企業が既にファン化し獲得している顧客は、自社の新規客として見込むことが可能になる。
<ポケモンとは> 1996年2月27日に任天堂のゲームボーイソフト用ソフト『ポケットモンスター 赤・緑』が発売しました。それ以来『ポケモン』はキャラクタービジネスとして様々な形でで世界中に広がり、多大な影響を与え続けた。
ポケモン関連ソフトの累計販売数は全世界で2億7700万本以上、メディアやグッズも含めると市場規模は約4兆6000億円とも言われている。
3.新しいマーケット・新しい文化の創造
《既存ビジネス×既存ビジネス=新規ビジネス》
ビジネスアイデアを出す時に有名な公式です。
イングレス×ポケモン=ポケモンGO
「ポケモンGO」はGoogleの位置情報を活用して、仮想現実ではなく、現実世界でポケモンの捕獲やバトルを体験することができます。
家の外に出てポケモンを探したり、他のプレイヤーとの出会いを通じて楽しむゲームです。
今までのスマホゲームと言えば、家の中や、電車内でゲーム機やスマホを使ってプレイするというのが主流でした。
今回の「ポケモンGO」はポケモンを探すために街にでる。
仮想現実ではなく現実世界で繰り広げられます。
これは今までにない、新しいマーケットです。
引用元:読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20160720-OYT1T50111.html
加えて社会現象を巻き起こし新しい文化をも創りました。
4.ブランド力の向上
実力・認知度の高い企業同士がコラボすると、ブランド力が劇的に向上します。
今回は<米ナイアンテック社×ポケモン×任天堂×Google>です。
これはインパクトがあり、話題になる上、自社の信頼性が高まりました。
ナイアンティック社はイングレス単体では金銭的にあんまり儲かっていませんでしたが、ポケモンとコラボすることで、大きなインパクトと話題、新しい価値を創ることができました。コラボの力は強力ですね。
ポイント:〔ナイアンティック社×株式会社ポケモン×任天堂×Google〕がコラボしたことにより
①必要資金を調達できた。
②ポケモンの固定客を自社顧客として獲得できた。
③外に出てゲームをするという新しい文化を確立した。
④自社のブランドの価値が劇的に向上した。
2.ノスタルジー効果
ポケモンは1996年に誕生し、日本国外で人気を得ていました。
その人気は現在に至るまで継続しています。
20年の時を経て、姿かたちを変え、再登場したのです。
当時ポケモンに夢中になった世代(ミレニアル世代※1)が、ノスタルジー(※2)を感じて、今のポケモンGOの下支えをしています。
※1:ミレニアル世代…1980年代から2000年代初頭に生まれた世代(10代半ば~30代半ば)。
現在の消費の中心となり経済や社会トレンドを牽引していると言われている。
※2:「望郷」「郷愁」という意味で、過ぎ去った時代を懐かしむ心のこと
ノスタルジーを感じると過去の懐かしい思い出を契機として購買意欲を喚起します。
人は感情移入すると財布の紐が緩むと言われています。
昔懐かしい過去の商品を再登場させることで消費者の興味を引くことができます。
こういうマーケティング手法を「ノスタルジーマーケティング」と呼ばれています。
その点で「ポケモン」は市場で一番の消費層であるミレニアル世代を刺激するコンテンツだったでのではないでしょうか。
ポイント:数十年前に流行ったものを再度コンテンツ化する「ノスタルジー効果」で、当時夢中になっていた層を巻き込んだ。
3.口コミ効果
「ポケモンGO」は米国や日本で配信開始後すぐにTwitterやFacebook等のSNSで瞬く間に拡散されました。
コラボやノスタルジー要素もあり、大々的な広告をすることなく勝手に話題になりました。
その社会現象はニュースや新聞などで毎日のように取り上げられていて話題が話題を呼んでいます。
強烈な話題性があるものはSNSが発達した現代では広告を不要にします。
メディアで紹介されるよりも信頼できる友人の紹介の方が力を持つ今の時代では広告よりも口コミの方が信ぴょう性があり、その効果は絶大です。
ポイント:有名企業とのコラボ+過去に全世界で人気を博したポケモンを利用することで強烈な話題性を生み大広告をすることなく配信開始前後から、自発的に口コミが起こった。。
4.わかりやすさとつかいやすさ
ナビに従い、ゲームスタート。
バイブしたらポケモン出現。
レベル5到達でジムでバトル可能。
「ポケモンGO」は何にもわからない状態から実践しても比較的簡単にストレスなくプレイすることができます。
レベルがあがっていくにに連れて新たなミッションやアクションが起こるところなど、人々の成長欲求を刺激し、徐々に「ポケモンGO」の世界にのめり込んでいきます。
話題になり勢いでダウンロードしてもらっても、継続して使ってもらわなければ意味がありません。
ましてや
・途中からどうしていいのかわからなくて...
・いまいち使い方がわからなくて...
という理由でゲームを辞めてしまうことになったら非常に勿体ないですよね。
どの商品サービスでも《わかりやすい》《つかいやすい》はマーケティング戦略では重要なポイントです。
最初の計画の段階で、顧客にとって《わかりやすい》《つかいやすい》商品サービスにするということをまず第一に考えることが大切です。
どんな素晴らしいものでも理解され伝わらなければ、何の価値も提供できていないのと同じです。
ポイント:初心者でもわかりやすくつかいやすいゲーム設計。
ゆっくりゲームを楽しみながら覚え、徐々にゲームの世界に引き込む仕組み化を実現した。
5.抜群のタイミング
もしポケモンGOの配信が冬だったら?
外に出たいけど寒いし、雨や雪が降ってるな~。
今日は外に出るのはやめておこう。
そう考える人は少なくないと思います。
冬に配信開始をしていたらここまでのブームにはなっていなかったでしょう。
7月という外を歩きたくなるなるさわやかな初夏に配信開始だったからこそ今回の大ヒットにつながったのではないでしょうか。
ポケモン誕生から20年というのもミレニアル世代をターゲットした場合、抜群のタイミングでした。
おそらくこの配信時期というのは、様々な視点から計画されたと思います。
子どもたちの夏休みに配信開始時期を合わせた方が大人も子どもも楽しめるのではないか?
日本人の場合、日米同時配信よりも「アメリカで爆発的に流行っているポケモンGOがついに日本で配信開始!」の方がニュース性があって、日本でヒットするのではないか?
そんなマーケティング戦略会議が開かれていたかどうかは知りませんが、結果的にこの施策が功を奏しました。
タイミングはとても大事です。
どんな素晴らしいものでもタイミングを逃すと話題にもならないことがあります。
効果的なタイミングに実行するには徹底したリサーチが必要です。
マーケティング戦略を考える時には徹底したリサーチを行った上で、成果が最大限になるように計画しましょう。
ポイント:人が外に出て歩きたい思う季節にタイミングを合わせ配信を開始した。
人々のニーズとゲームコンセプトが一致し爆発的なヒットとなった。
まとめ
・「ポケモンGO」は株式会社ポケモン、任天堂、米ナイアンティック社で共同開発したGoogleマップを利用した位置情報ゲーム。
<ポケモンGOのマーケティング戦略>
コラボの力
ノスタルジー効果
口コミ効果
わかりやすさとつかいさすさ
抜群のタイミング
今回は少し変わった視点で分析してみました。
日々、商品サービスをただ利用するだけでなく、なぜ流行っているのか?という視点でみることが大切ですね。
本日はこれまで。
さぁーて、ポケモン探しにいこ。