こんにちは。いないいないばぁ編集部です。
みなさん、MECE(ミーシー)という言葉はご存知ですか?
MECE(ミーシー)は、ロジカルシンキング(論理的思考)を行う中で重要な手法になります。
「MECE」の手法は、とても当たり前のような考え方なのですが、ロジカルシンキングをしていく上で、意識しないと「MECE」になっていない場合がよくあります。
今回は、この「MECE」について詳しく説明していきたいと思います。
目次
MECEとは?
MECEとは「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字をとったもので、簡単に訳すと、「それぞれが重複することなく、要素に漏れがない状態」という意味になります。
Mutually:相互に
Exclusive:重複せず
and Collectively:全体として
Exhaustive:漏れがない
MECEを理解し活用することにより、分類が明確になり、全体像がはっきりと現れてきます。
なぜMECEでないといけないのか?
ロジカルシンキングで物事を捉える時に、なぜMECEでなければならないのでしょうか。
よくある例を挙げると、「お菓子を購入してくれるターゲットを明確にしよう」という課題があった際、どのようなターゲットがあるか出していきます。
1.子供向け
2.大人向け
3.男性向け
4.女性向け
この場合、「子供」「大人」と「男性」「女性」で明確な区別があるため、MECEは問題ないと思われがちですが・・・「子供向け」の中には「男性」「女性」も入りますし、「大人向け」の中にも「男性」「女性」があり、要素が重複してしまっています。
この場合、実は「◯◯向け」の部分がまだ明確な状態だとは言えません。
図1.MECEの例
「子供向けのお菓子を作ろう!」となった場合、男女の区別をする必要がありますし、「ロジックツリー」に落とし込んだ場合、さらに年齢や趣味別などの要素でさらに分けることができます。
※ロジックツリーについては、『【3分でわかる】ロジックツリーの使いこなし方』にて詳しく説明しています。
このように、各要素細かく分類し、「MECE」であることにより、より明確なロジカルシンキングが可能になるのです。
MECEになってない例
先ほどの例でも紹介しましたが、MECEになっていない例を、もう少しわかりやすくご紹介します。
重複している場合
例えば、「PCを購入したい」として、どのようなPCがあるのか、いくつか分類することにしました。
ここで分類要素として、「デスクトップパソコン」「ノートパソコン」「ディスプレイ一体型パソコン」を挙げることにします。
この際、「ディスプレイ一体型パソコン」は「デスクトップパソコン」の中に含まれるため、同じ要素のものが2つあり、重複していることになります。
「ディスプレイ一体型パソコン」は、「タワー型・ボックス型」と言われるデスクトップパソコンと見た目は異なりますが、種類としてはデスクトップの中になるため、この場合はMECEにはなってないのです。
図2.重複している例
漏れがある場合
重複している場合と同様に、「PCを購入したい」と思い、「デスクトップパソコン」「ノートパソコン」の2つを分類として挙げました。
これで、先ほどのように、「デスクトップパソコン」で重複していないので大丈夫だと安心してしまいましたが・・・
実は、よくよく調べると「タブレットPC」というジャンルがありました。「あ、この形が一番ベストだった…」なんてことになりかねませんね。
このように、下調べが粗いことによる「漏れ」はよく発生してしまいます。この場合もMECEにはなってないのです。
図3.漏れがある例
MECEになっている例
MECEになっている例は、いたってシンプルです。
例えば、日本全国にアンケートを実施したところ、アンケート項目に「出身地」がありました。
この項目の中には、47都道府県に加えて「海外」という項目があり、地球上のすべての場所を重複することなく、漏れもなく、網羅しています。
このような状態がMECEになっている例です。
図4.MECEになっている例
MECEのコツ
MECEで大切なのは、「全体を正しくとらえた上で、各部分について明確な分類化をすること」です。
分類化をする上で、目的や視点が明確であるほど、重複することなく進めることができます。また、切り口の「キーワード」が明確であるほど、分類を調べやすくなり、漏れも少なくなります。
「目的」「視点」「キーワード」には、このようなものがあります。
携帯電話の例
・機能:「電話」「メール」「ゲーム」「WEB」
→重視するところを変えることによって、機能性や価格プランを変更する
・時間:「朝」「昼」「夜」「深夜」
→使う時間帯で金額プランを変更する
・空間:「屋内」「屋外」
→電波周りや画面の明るさなどの設定
・科学:「チタン」「プラスチック」「メタル」
→使う場所や持ち運び頻度によって素材を決める
・年齢:「子供」「大人」「高齢者」(※大人と高齢者は60歳という明確な区切りがあるものとする)
→文字の大きさや使える機能を変更する
・用途:「家族で使う」「恋人と使う」「友人と使う」「同僚と使う」
→用途によって金額プランを変更する
その他にも分類化できますが、上記のような分類化により、網羅的に携帯電話を理解することができます。
まとめ
MECEという言葉はなかなか聞きませんが、ロジカルシンキングの基礎になります。
分類化はとても面倒くさい作業ですが、MECEの通りに要素を分けることで、より明確な問題の解決策が現れたり、今まで表面化されなかった項目が問題が明確になったりします。
「ダブることなく、漏れもなく」
MECEの概念自体はとてもシンプルなので、確実に身につけて、正しい論理的思考ができるビジネスマンになりましょう。