こんにちは、阿江です。
今回は、「AISASの法則」の内容と、その事例をご紹介します。
「AISASの法則」とは、以前に紹介した「AIDMAの法則」や「PASONAの法則」と同様の、消費者の購買行動プロセスの1つです。
「AIDMAの法則」を、インターネット普及後の時代に合わせ変化させたもので、大手広告代理店の電通が2005年に提唱しました。
「AISASの法則」を理解しビジネスに組み込むことで、簡単に集客の流れを作ったり、既存のビジネスモデルの見直しを行うことができます。
後半では「AISAS」を使った集客の事例もご紹介しますので、まずは続きをご覧ください。
「AISAS」とは
「AISAS」とは、ネット時代の消費者行動プロセスの各ステップにおける、5湯の英単語のイニシャルを取った造語です。
・Attention(注目・認知)
・Interest(興味・関心)
・Search(検索)
・Action(購買)
・Share(共有)
「AISAS」には終わりはなく、下記の図のように、「Share(共有)」から新たな「Attention(注目・認知)」や「Search(検索)」へ繋がります。
もし、「AISAS」の各ステップが上手く流れる仕組みを作り出すことができれば、こちらから追いかけることなく、自然と新しいお客さんを集めることも可能です。
では、1つずつ見ていきましょう。
Attention(注目・認知)
「Attention(注目・認知)」は、ブログやCMなどで、あなたの商品やサービスの存在を、お客さんが知るステップです。
たとえば、
・借金の返済で悩んでいるとき、何気なく聞いていたラジオのCMで、過払い金請求という、お金が返ってくるかもしれないサービスを知る
・「夏までにいい体に仕上げたいな」と思っていたとき、たまたま読んだブログで、楽に身体を絞れる器具が紹介されていた
など、まずこの段階では、商品やサービスの存在を認知してもらうことが重要なので、質より量を重視し、お客さんにどれだけ認知してもらえるかを考えます。
Interest(興味・関心)
「Interest(興味・関心)」では、「Attention(注目・認知)」であなたの商品やサービスを認知したお客さんが、興味を持つステップです。
コミュニケーションと同じで、興味を惹けるか否かを決めるのは第一印象。
もし、第一印象が自分に関係ないものに感じたり、退屈に思えると、お客さんが興味を持たず、購入につながることはありません。
逆に、第一印象がお客さんのニーズに一致し、「自分に関係のあるものだ」と感じてもらえれば、興味を惹き、次のステップへ進ませることができます。
この第一印象に当てはまるのは、以下のものです。
・記事の見出しやタイトル
・ウェブサイトの最初に表示する画面
・広告文
・CMの最初の数秒
お客さんの興味を惹く方法は、以下の記事が参考になります。
Search(検索)
「Search(検索)」は、「Interest(興味・関心)」で、あなたの商品やサービスに興味を持ったお客さんが、情報を集め、購入に値するかを検討するステップです。
あなたのHPはもちろん、他のサービスを用いて情報収集する場合もあります。
たとえば、
・キーワードを打ち込めば関連した情報を出してくれる「Google検索」
・一番安い金額を検索できる「価格.com」
・他の人の評価が見られる「Amazon」「楽天」
・他人に質問できる「Yahoo知恵袋」
・格安で宿泊予約ができる「じゃらん」
・安いレンタカーを検索できる「楽天トラベル」
・美容院を比較できる「ホットペッパービューティー」
・飲食店の検索に使える「食べログ」
これらのサービスを駆使して、あなたの商品やサービスを、類似するものと比較し、購入するかを検討します。
もし、あなたのHPに満足いくだけの情報があれば、それだけで購入を決定する場合もあるので、お客さんが欲しがる情報を、あらかじめ用意しておくことが重要です。
Action(行動)
「Action(行動)」は、「Search(検索)」によって、情報を得た結果、あなたからの買い物に価値があると感じたお客さんが、実際に購入するステップです。
どれだけ多くの「Attention(注目・認知)」があっても、どんなに強烈な「Interest(興味・関心)」を惹いても、どれほどポジティブな情報が「Search(検索)」されても、どこまで情報が「Share(共有)」されようとも、購入のための「Action(行動)」してもらわなければ、意味がありません。
つまり、ここがもっとも重要なステップになります。
もっとも「Action(行動)」が起こりやすいのは、お客さんが購入しようと思った瞬間。
そして、その瞬間から購買までの時間が伸びれば伸びるほど、購入する確率は低下していきます。
・実店舗の住所をわかりやすく記載する
・お店への道順を説明する
・ネット通販のサイトを使いやすくする
・「購入ボタン」の色を目立つ色にしてわかりやすくする
・購入完了までのステップを1つでも多く減らす
など、お客さんがスムーズに「Action(行動)」できるように、サポートすることが大切です。
買い物をしたお客さんが最後に取るステップが、「Share(共有)」。
具体的には、商品の感想や、購入したことを、FacebookやTwitter、InstagramといったSNSで発信する、ブログに記事を書く、サイトにレビューを書く、知人に口頭で伝えるなどです。
このステップでは、お客さんが思わず「Share(共有)」したくなるような、仕掛けを作ることが重要になります。
なぜなら、「Share(共有)」は、新たなお客さんに対して、強烈な威力を発揮する広告になるからです。
以下は、お客さんの「Share(共有)」によって、成功した事例。
・最新のテクノロジーを料理に使い、思わずSNSに載せたくなるようなメニューを作ることで、新規のお客さんを獲得している飲食店
・お客さんのビフォーアフターの写真をSNSにの載せて拡散してもらうことで、新規のお客さんを獲得しているパーソナルトレーナー
また、2009年に、25,000人を対象に行われた調査でも、「『個人的な知り合いのオススメ』と『ネット上の消費者の意見』は国を問わず最も信頼される広告形態である」との結果が出ています。
RIZAPの事例
ここからは、「AISAS」の事例を紹介します。
「AISAS」を上手く使ってお客さんを集めるのに成功したのが、個性的なCMで話題を生んだRIZAP。
RIZAPの集客の事例を「AISAS」に沿って解説していきます。
Attention(注目・認知)
耳に残りやすい音楽を使ったCMを集中的に流すことによって、「RIZAPのCMを知らない」という人がいないほどに、多くの人に認知させました。
Interest(興味・関心)
CMが流れ出した頃のRIZAPのターゲットは、「痩せたいビジネスパーソン」。
ビジネスパーソンがよく知っている著名人の起用、ウソのようなビフォーアフターの映像、そして「2ヶ月でこの体」「結果にコミットする」というわかりやすいコピーで、見込み客の興味を惹きました。
Search(検索)
RIZAPは、CMによって興味を持ったお客さんを、購入に誘導するため、充実した内容のHPを準備しています。
さらに、自社のHP以外からも、情報を得ようとしたお客さんに対して、ある仕掛けを用意していました。
それは、力のあるアフィリエイターを使い、「RIZAP 悪評」や「RIZAP 不満」などのネガティブなワードで検索しても、ポジティブな内容が出るようにしたことです。
良いのか悪いのかは置いておいて、RIZAPは自社HP以外からも情報を得ようとしたお客さんにも、ポジティブな情報を掴ませることに成功します。
Action(購買行動)
ポジティブな情報を得て、購入に前向きになったお客さんの最後のハードルが、2ヶ月で29万8,000円という、かなり高額な料金設定。
ここで足踏みするお客さんの背中を押したのは、「30日間の全額返金保証制度」です。
もし、不満があれば、料金が返ってくるという条件は、購入へのハードルをグッと低くしました。
Share(共有)
SNSやブログへの「Share(共有)」も効果的ですが、RIZAPで強烈な「Share(共有)」は、RIZAPしたお客さん自身です。
・ RIZAPした著名人の痩せた姿をバラエティ番組で見た
・ 会社の同僚がRIZAPでダイエットに成功した
・ いつも話している友人が、みるみるうちに痩せていった
この、目に見える変化は、周囲の人への強烈な広告になります。
多くの人が、短期間で理想の体を手にしている知人を見て、RIZAPに興味を持ったのではないでしょうか。
また、「紹介制度」という、お客さんが「Share(共有)」したくなる仕組みを作ったことも加え、広告宣伝費を抑えながらも、新規顧客を得るということに成功しました。
以下は、RIZAPの顧客獲得プロセスを図にまとめたものです。
まとめ
以上が、「AISAS」の内容と事例です。
まとめると以下の通り
・「AISAS」は、お客さんの購買行動プロセス
・「AISAS」とは、以下の5つの英単語のイニシャル
Attention(注目・認知)
Interest(興味・関心)
Search(検索)
Action(行動)
Share(共有)
・ 代表的な事例にRIZAP
「AISAS」を正しく理解し、使えるようになれば、こちらから追いっかけなくても、自然と新規のお客さんが集まるようになります。
ぜひ、あなたのフレームワークとして、利用してください。
また、「AISAS」のような消費者行動プロセスを学び、そのバリエーションを増やすことは、あなたのビジネスの「幅」を広げることに繋がります。
他の消費者行動プロセスの記事も用意しておりますので、ぜひご覧になってください。