株式会社いないいないばぁ

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2016-11-30

独自の手法でV字回復!愛される水族館、「えのすい」の秘策とは?

独自の手法でV字回復!愛される水族館、「えのすい」の秘策とは?

夏休みの家族旅行や友達との小旅行、デートスポットとしても人気なのが水族館。
その数は全国でなんと100以上。あなたも一度は行ったことがあるかと思います。

実は今、ある水族館がひときわ人気を集め、大注目されています。

それが、神奈川県藤沢市の「新江ノ島水族館」
通称、「えのすい」

近年厳しい経営が続いているテーマパーク業界において、低迷し続けていた来場者数が1年で42万人も増加。 

昨年2015年には更に11万人増え、過去最高の人数を達成し、驚きのV字回復で経営再生を遂げています。

ではなぜ、ここまでのV字回復が実現できたのか?

低迷から独自の手法で脱却し、いまや年間183万人も集める、全国4位の水族館に返り咲いた「えのすい」の秘策をひも解いてみましょう。

減り続けていく来場者

江ノ島水族館のイルカショー(S_e_i/Flickr)

えのすいが誕生したのは1954年のこと。

戦前は温度管理技術がなかったので、水族館は温度が一定に保てる季節限定の営業が一般的でしたが、この水族館は違いました。

当時の最新テクノロジーを駆使して、水の循環や水温管理を可能にし、通年での営業を実現。
「世界中の珍しい魚を見たい」というお客さんの要望にも応え、人気を集めていきました。

余談ですが、イルカショークラゲ展など、もはや定番となっているこれらのアトラクションは、実はこの旧江ノ島水族館が生みの親です。

話は戻りますが、全てが順調に思われた、人気水族館。
ところが、この人気は長く続きません。

建物の老朽化も進み、お客さんの足離れは進むばかり。

これではいけない、と人気のある魚や生物を展示したものの大きな効果は得られず、また、思い切ってリニューアルして面積を3倍に増やし、展示物も増えたことで一時期は180万人まで来場者数が増えたものの、10年経たずして、130万人程まで減少。

従来のビジネスモデルを続けていたのでは、来場者数の減少を食い止めることはできなかったのです。

「脇役」を「主役」に変えた方法

可愛い表情の白イルカ

全国の人気水族館には必ず、“主役”がいます。

たとえば、沖縄の美ら海水族館なら、巨大なジンベイザメやマンタ。
三重県の鳥羽水族館なら、ジュゴンやマナティーなど、お客さんを惹きつける不偏の魅力、つまり「ウリ」があります。

そこで、えのすいは考えました。
何を「ウリ」にするべきか?

出た答えは、「イワシの群れ」でした。

普段食卓にも並ぶ、定番の魚・イワシ。
どちらかと言えば脇役にされがちなイワシを、なぜウリにしようと考えたのか?

なぜなら、水族館の前に広がる相模湾は、イワシの漁場として有名だったからです。
そこにスポットを当てました。

当時、全く珍しくもないイワシを主役にする水族館は全国どこにもありませんでしたが、

「よく知っている魚なのに、見ると面白い」
「違う動きをするので、見ていて飽きない」

といったポジティブな反応がお客さんから得られました。

また、数匹を泳がせるのではなく、大水槽で8000匹ものイワシを泳がせることで群れが生まれ、その美しさに魅了される人がジワジワと増加していきました。

最近ではイワシの稚魚であるシラスを世界で初めて展示するなど、イワシの漁場として有名な地元の相模湾にスポットを当てたことで、V字回復を成功させました。

「水族館=日中訪れる場所」という概念を変えて集客UP

江ノ島水族館のナイトアクアリウム(TAKA@P.P.R.S/Flickr)

えのすいは、さらなる集客UPに成功します。

建物のリニューアルや、目玉となる生物の展示のように、新しいものを付け加えていくのではなく、今あるものを活用しながら集客を伸ばせないか?

そう考えたえのすいは、「夜の世界」に着目しました。

水族館の閉館時間は当時夕方17:00頃のところが多く、夜にお客さんを呼び込む工夫は、あまりされていませんでした。

そこで、えのすいは2014年7月に「ナイトアクアリウム (現・ナイトワンダーアクアリウム)」という、夜の水族館でのプロジェクトマッピングを開催。

その結果、物珍しさに加えて仕事終わりの人の来場も増加し、2014年の夜の来場者は33万人、2015年には40万人を達成しました。

日中訪れるのが定番だった水族館に、「夜の世界」という新しいコンセプトを誕生させたことで、さらにファンを増やし、集客UPを成功させました。

飼育員を裏方にしないことで楽しさが倍増

飼育員をトリーターと言います

えのすいの飼育員は通称「トリーター」と呼ばれています。
これは、生物を飼育してお客さんをもてなす、つまり生物もお客さんも”treat(トリート)”するという意味が込められているそう。

えのすいは、飼育員を、ただ世話するだけの飼育員としては考えていません。
そうではなく、お客さんを楽しませ、魚の面白さを伝えてくれる「表方」の飼育員になってもらおうと、発声方法や伝え方のレクチャー等の教育に力をいれています。

その結果、お客さんはダイナミックに見せてくれるショーを楽しむことができるようになり、来場者を魅了する水族館へと成長。

ここにも、えのすい人気の秘密が隠されていました。

まとめ

一度は経営の危機に瀕した、新・江ノ島水族館。

・地元の相模湾にフォーカスし、脇役をあえて主役にする
・これまで提供できなかった「夜の世界」という、新しい魅力を作り出す
・魚、お客さん、そして飼育員に至るまで、関わる全てのものに配慮しながら、愛される水族館を作り上げていく

など、えのしまのビジネスモデルには、今すぐ学べるマーケティング要素がいくつも隠されています。

ひとつのアクションで大きく変われるチャンスがある、ということを教えてくれる事例でした。

  

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