株式会社いないいないばぁ

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2016-11-23

1本300円の大根が飛ぶように売れる、オイシックスのビジネスモデル

1本300円の大根が飛ぶように売れる、オイシックスのビジネスモデル

30~40代の主婦を中心に圧倒的支持をされている、食品のネット通販会社「オイシックス」をご存じでしょうか。

2000年にスタートしたオイシックスは、2016年前期の売り上げは、前年比11.6%増の約200億を達成。
そして何よりすごいのが、リピート率70%という数字です。

実は、オイシックスで販売されている食品は、通常よりも高めの値段設定になっています。にも関わらず、年々業績が伸びている。

今回は、そんな業界平均の1.5倍の利益率を叩き出す、オイシックスのビジネスモデルに迫りたいと思います。

食で通常の1.5倍利益率を上げるオイシックスの誕生

オイシックスのサービス(TAKA@P.P.R.S/Flickr)

オイシックスの代表である、高島宏平氏は、東京大学大学院工学系研究科修了後、外資系コンサルティング会社マッキンゼーに就職。

食品とはかけ離れた経歴の持ち主です。
では、なぜ食品通販を始めることになったのか。

当時、高島氏はマッキンゼーに勤めながら、仕事終わりや土日に仲間と新規事業計画を考えていました。

「衣食住という、いつの時代も人間が必要とするもので、なくなったら困ってしまう新しいビジネスを立ち上げよう」
そして、行き着いたのが食品です。

2000年。

当時はまだ珍しかったインターネットで、付加価値の高い有機野菜や添加物を使わない加工食品を一般家庭に届けるサービスをスタートさせました。
食品小売業の利益率は3%になれば良いほうと言われていますが、オイシックスは3〜5%の利益率を出しています。

わかりやすく言えば、
「スーパーでは大根が200円で売られていても、オイシックスでは300円の大根が飛ぶように売れる」
のです。

ではなぜ、スーパーより高い値段の野菜を売るオイシックスが成功しているのか?

徹底的なリサーチによる新しい価値の創造

家族の笑顔

まず行ったことが、お客様候補である小さな子供のいる主婦に会い、日々の食生活について不満に感じていることを徹底的にヒアリングしました。

そこで分かったことは、

・食の安全が叫ばれるようになり、農薬や添加物が気になっている
・有機野菜、無農薬野菜はなかなか近所で売っていないため、気軽に買うことができない
・有機野菜の宅配サービスは配達日や時間が決められており、受け取りにくい
・おまかせセットが多く、なおかつ定期購入しなければならない
入会金や会員費がかかるため、利用するのに抵抗がある

などなど、食の安全に対して悩みを抱えるママたちの声でした。

次に行ったのが生産者である農家の実態を把握すること。

・「形がよく美しい重い野菜」を作るために、農薬や化学肥料を使って野菜作りしている
・生産者は決して農薬がかかった野菜は食べていない
買い取ってもらえない「形が悪い」「傷がある」「変形している」野菜の多さ
・売れない商品の大量廃棄作業が日常化している
・無農薬で美味しい野菜を作っている生産者の方は、プライドをもって野菜を作っている

という現実でした。

多くの生産者は、「きれいで美しい重い野菜」に価値があると思っていました。
なぜなら、そういう野菜を作らなければ、流通側が買ってくれなかったからです。

そして、無農薬の野菜を作っている農家の方が意外と多いことも分かりました。
無農薬で美味しい野菜を作っている生産者の方は、こだわりが強く、どういう販売店で売るのかまでこだわっていたのです。

・多少値段は高くても、本当に消費者が求めているのは安心安全である野菜。
・農家の方が一つ一つ手塩に掛けてきた無農薬でおいしい野菜が存在していること。

そこを何とかつなげられないか?とオイシックスは考えました。

しかし、野菜が売ってもらえない

オイシックスは、生産者と消費者をインターネットで直接つなぐことができれば、うまくいくと考えました。
しかし、最初は商品を仕入れることすらできませんでした。

「自分の野菜は売らないから帰れ」と、農家の方から売ってもらえなかったのです。

当時はまだ珍しかったインターネット販売を年配の生産者が知るはずもなく、当然オイシックスのビジネスを理解してもらえません。
得体の知れない会社に、自慢の野菜を簡単には売ってくれなかったのです。

そこで、農家の方と仲良くなるために、何回も挨拶に行きました。
顔を覚えてもらい、農作業を手伝い、一緒にお酒を飲み交わす。
ある時は土まで食べました。

そして、やっと「売ってやるよ」と言ってもらえ、商品である野菜を仕入れることに成功します。

ストーリーのある野菜が新しい価値をつくる

農家の声

消費者と生産者へのヒアリングによって、既存の宅配サービスにはない、オイシックスにしかできないサービスが生まれます。

・農家の方も孫に食べさせられるような、安全で美味しい野菜を届ける
・一つ一つ自由に好きな野菜を選んで買える
・消費者が希望する日時に野菜を受け取ることができる
・お届け日に合わせて収穫する鮮度の高い野菜
・入会金、会員費、出資金などは一切かからない
・定期購入しなくても良い

「多少値段が高くても、安心して子供に食べさせられる野菜を買いたい」
と思っていた主婦にオイシックスのサービスが受け入れられ始めます。

さらに、オイシックス成功の裏には、ネーミングの重要性があげられます。
野菜の美味しさが伝わるように、お客様が食べてみたい、と思うようなネーミングをつけて売り出したのです。

例えば、焼くとトロッとした食感が特徴の「白ナス」を「トロナス」にネーミングするだけで、売り切れるほどの人気商品になりました。

他にも・・・

・生でも甘くておいしく食べられる、フルーツみたいなかぶ、「ピーチかぶ」。
・最も多くの感動をお客さまに与えた農家さんを表彰する「農家・オブザイヤー」において最高金賞を受賞した、スーツのように甘くて美味しい「生キャラメルいも」。

など、興味を引くネーミングも、オイシックスの特徴の1つです。

生産者しか知らない、おいしく野菜を食べる方法

スーパーでoisix(Hidetsugu Tonomura/Flickr)

また、主婦に嬉しいサービスなのが、生産者オススメの食べ方を知ることができるサービスです。

例えば、ジャガイモを注文すると
「このジャガイモは皮付きのまま茹でて食べるのが美味しいですよ」
と生産者の言葉でメッセージが送られてきます。

このメッセージがあることで、

・おいしい野菜の食べ方を知ることができる。
・生産者を身近に感じることができる。
・食卓で家族の会話が増える。

など、スーパーでジャガイモを買う以上の価値を得ることができます。

さらに、注文する商品は、食材に関するストーリーがネット上で確認することができます。
生産者からのコメントの他に保存方法や注意点、食べるポイントも記載されています。

例えば、「ビーチかぶ」なら、下記のような、野菜のストーリーや生産者の想いが書かれています。

■ 生産者からのメッセージ  

一番のポイントは葉の成長と実のバランス。葉が大きすぎると、実が小さくなり、太らなくなるので、肥料は苗を植える前に与えるだけで、生育中には追加しません。また、土を硬めにすることで、実が土の中に沈み込まないように工夫しています。そうすると、病気になりにくいので、農薬も抑えることができるのです。土の中は菌が多いので、病気になりやすいんですよ。また、このかぶは収穫適期に収穫しないと、玉が割れてしまうので、その見極めが肝心です。 

他にも、次のように野菜をおいしく保存する説明もあります。

「 冷蔵庫の野菜室で保存し、お早めにお召し上がりください。長く保存する場合は、葉の部分を切り落としてからポリ袋に入れ、冷蔵庫に入れてください。 」

このように生産者の野菜に対する思いや、物語を知ることで、消費者は手にした目の前の野菜により親近感がわきます。

安心安全だけでなく、生産者の想いが詰まった商品が届く。
このサービスを始めてから、リピート率が一気にアップしました。

代表の高島氏は、次のように述べています。

「私たちはただ高価な野菜を売っているわけではない。豊かな食事の風景を売っている。だから、レシピや農家の人しか知らない食べ方や野菜を消費者に提供している」

オイシックスは食を通して消費者と生産者を新しい形でつなぐことに成功しました。そして、圧倒的な支持を得たことで、200億の売上を達成したのです。

まとめ

オイシックスの目指したビジネスモデル、「インターネットで生産者と消費者を直接つないで、安全で安心な美味しい野菜を、好きに選んで好きな時に受け取れる」仕組み。

オイシックスの野菜=「安心安全」「美味しい」という確固たる地位が築かれたのです。

消費者の本当に欲しい商品を知り、生産者の現状に目を向け、徹底したヒアリングで、「お客様の困っていること」を解決し、利益を得る。

オイシックスの企業理念は「一般のご家庭での豊かな食生活」と掲げています。

安全で美味しい野菜を差別化してインターネットで売るだけではなく、「豊かな食事の風景」という価値を合わせて売ることで成功していました。

あなたのビジネス役立てるヒントがあったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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